2025年6月19日

父の日明け、サンヨネでの「発見」
先日、いつも行くサンヨネ東店で見慣れないものを見つけました。ラベルには「生本まぐろ」とあり横に「背ビレ」のシール、ひとパック600円ほど。マグロの背びれなんて普段まず見かけない部位です。迷うことなく2パック、即カゴに入れました。
おそらく前日に「父の日イベント」として解体ショーをやっていたのでしょう。その残りのような、ちょっとした特別感のある商品です。そういう珍しいものを見つけると、反射的に買ってしまうのは僕のクセです。
背びれって、どこの部位?
「背びれ」と聞いても、すぐにどの部分かピンと来ない方も多いかもしれません。マグロの背びれとは、魚の背中にある第一・第二背びれとその根元の肉や軟骨のことを指します。見た目はゴツゴツしていて、食べられるの?と思ってしまうような風貌です。

どうやって食べるんだろう?
ですが、この部位、実は知る人ぞ知る希少部位。マグロ1尾から取れる量はごくわずか。市場にもあまり流通せず、寿司屋や料亭のまかない、あるいは地元の漁師町などでのみ味わえるような存在です。
背びれの味と食感は?
家に帰ってさっそく調べてみると、背びれはコラーゲンやゼラチン質が豊富で、「ぷるぷる」「もちもち」「コクがある」など、なかなか高評価な食感と味だと判明。
とくに青森の大間や静岡の焼津など、マグロに縁の深い地域では、煮付けや唐揚げとしてよく食べられているそうです。部位的には骨まわりなので可食部は少なめですが、濃厚な味わいが魅力とのこと。
これはもう、王道の甘辛煮付けでいってみるしかない、と決めました。
ショウガたっぷり、煮付けに挑戦
さっそく調理開始。ショウガをたっぷりと使い、酒、みりん、醤油、砂糖で定番の味付けに。背びれを鍋に並べて煮込んでいくと、魚の脂とコラーゲンが溶け出して、なんとも食欲をそそる香りに。煮汁も少しトロッとしてきます。
見た目は少々ワイルドですが、実際に食べてみると「なるほど」とうなずく美味しさ。骨が多いため少し食べにくさはあるものの、身は柔らかく、ぷるぷるした皮や軟骨部分がまたクセになります。特に煮こごりのようなゼラチン質は、冷ましてからも楽しめるほどの豊かさです。





家族も「初めて食べたけど、これ美味しいね!」と喜んでくれました。
実は栄養満点の健康食材
調べてみれば背びれが栄養豊富な健康食材だということ。
- コラーゲン・ゼラチン質が豊富で、美肌・関節の健康をサポート
- タウリンや鉄分も含まれ、疲労回復や貧血予防に
- 少量ながらDHA・EPAも含まれており、脳や血管の健康にも良いと言われています
特に、煮汁をそのまま冷やして煮こごりにすれば、ゼラチンがしっかり固まり、まさに栄養のかたまり。おつまみにも最高です。
もっといろんな食べ方がある
今回の煮付け以外にも、背びれの楽しみ方は多様みたいです。
- 唐揚げ:骨ごと揚げれば、外はカリカリ・中はぷるぷるの食感に
- 塩焼き:塩をふって焼くだけでも、軟骨の香ばしさと旨味が引き立ちます
- 煮こごり:煮付け後に冷蔵庫で冷やせば、コラーゲンたっぷりの一品に
調理には少し手間がかかりますが、それだけの価値があります。むしろ、手をかける楽しさすらある部位です。
新たな食材との出会いも日常の楽しみ
サンヨネの鮮魚コーナーは、時にちょっとした宝探しです。今回のように「なんだこれ?」と思うような部位に出会い、調べて、料理して、家族で味わう。そんな小さな出来事が、食の楽しみを広げてくれます。
マグロの背びれは、確かにクセもあり、万人向けではないかもしれません。けれど、普段捨てられがちな部位にちゃんとした美味しさがあるということ。それを知るだけでも、食材への向き合い方が少し変わる気がします。
次にもサンヨネでまた見慣れない何かを見つけたら、きっとまた買ってしまうでしょう。

だからサンヨネはやめられんw